「閉じ込め症候群」状態の友と語る?!
2021年12月23日追記
ブログ「今日もヨミトル!」は、当初、はてなブログで「閉じ込め症候群の友と語る」というブログ名で投稿を始めました。本投稿は、2018年6月25日の最初の投稿に若干の修正を加えたものです。
はじめまして。miko-mikuこと、たかぎくみこです。
このブログは、閉じ込め症候群の状態にあるマリリンとケントさんという2人の友人と語り、一緒に音楽を聴いたり演奏したりしてその感想を聞いたり、今の想いや願いを教えてもらったりして交流している、その記録です。
閉じ込め症候群の定義をMSDマニュアルから引用します。
閉じ込め症候群は、四肢麻痺および下位脳神経が麻痺しているが意識は覚醒している状態であり、合図として用いる眼球運動以外、表情を示す、動く、話す、意思を伝達することができない。患者の認知機能は正常であり、覚醒しており、開眼および正常の睡眠-覚醒サイクルがある。患者は聞くことができ、見ることができるしかしながら、顔面下部の運動、咀嚼、嚥下、発話、呼吸、四肢の運動はいずれもできない。垂直方向の眼球運動は可能であり、開眼と閉眼または特定回数の瞬きで質問に答えることができる。
MSDマニュアル
お二人は脳血管疾患の重度の後遺症で、四肢麻痺、発話不能の、いわゆる「閉じ込め症候群」の状態にある方です。お一人は意識があるかどうかわからない、あるいは、意識レベルがきわめて低いと診断されている方で、もうお一人は、約1年半植物状態とみなされていましたが覚醒していることがわかり、以後ご家族の懸命な介護やリハビリ、また、ICT支援者とのスイッチ操作等の取り組みで、少しずつ自力で簡単な意思疎通ができるようになりつつあります。
お二人とも自分の意思を表出できないという極限の状況の中におられますが、特殊な技能の介助により、ご自分の思いをご自分で書き表すことができます。ジョークも頻発、1対1での対話・また複数の仲間とのおしゃべりの場は、とても和やかで楽しい雰囲気です。どのように介助する(読み取る)のかというところは、追ってご紹介します。
このブログの目的は大きく3つあります。
1つは、マリリンやケントさんは、今の医学で規定されている意識レベルの判定では、意識レベルが低い、意識レベルが不明となってしまっているのですが、本当はわかっています。このことを、先ずはお二人のことを想って心配している友や仲間の人たちに伝えて、みんなに喜んでほしい。
2つめは、このブログを通して、お二人のように、わからないと思われているけれど実はわかっている方が存在するという事実を多くの方に知っていただいて、あきらめず、わかっていると信じて接してほしいということです。
そして,3つ目として、科学技術の発達によって、そのような方が誰でもご自身の思いをより容易に伝えられるような機器が早く完成するといいなと思っているので、そういう研究の何か参考になればいいなと。
私たちの日々の生活の中で、自分で話したり書くことについての運動機能に問題がなくても、社会やコミュニティの人間関係の中では、相手を思いやったり力関係の支配を受けたりして、言いたいことをすべて言えるわけではありません。でも、せめて「意思を表出」するという身体動作という点においては、誰もが困難を覚えず同じところに立てる状態であってほしい。それが可能な技術的な環境が閉じ込め状態の方に早く提供されることを願うのです。
マリリンやケントさんと一緒に、試行錯誤しながら、支援に関わる先行者のアドバイスをいただきつつ、また同じ志を持つ方々と情報交換しつつ、お互いの表出・読み取りの技術を向上させていきたいです。そしてそれが、まだ「わからないと思われているけれどわかっている」あなたに繋がっていったら本当に嬉しいです。
これからよろしくお願いいたします。